皆さんこんにちは。
漫画が好きで、好きで、漫画を読む度に
感動して震えているビビです。
今回はあの奥浩哉先生が描く、
新刊GIGANT(ギガント)の魅力について
ネタバレが無い様に語っていきたいと思います。
私コミック派なので、タイムリーでは無いのですが、
GIGANT(ギガント)1巻の見どころや
このコマのこの部分見て!!!って部分を
自分なりに書いていきます。きっと、
読むと漫画がもっと楽しくなると思います。
目次(この記事で分かること)
漫画GIGANT(ギガント)のあらすじ
映画監督を夢見る男子高校生の横山田零(よこやまだ れい)は、
かねてからの大ファンだった「女優」を中傷する張り紙を町で
見かける。張り紙を剥がしまわる決意をした零に、
声をかけた1人の女性からすべては大きく変わったーーー
徹底した日常の中にある小さな非日常の連続が
やがて巨大な恋に発展する。
GANTZ、いぬやしきの作者奥浩哉が
手がける全く予測不可能なSFラブストーリー
ビビ
GIGANT(ギガント)の見どころその1:設定や背景が圧倒的日常
これとてもスゴイです。きっと非日常との
コントラストを際立たせるための
漫画家ならではの工夫なのでしょうね。
下の画像を見て下さい。
奥浩哉先生の日常表現その1
画像出典:GIGANT1巻より(奥浩哉著:小学館出版)
レビューとか見ていると、奥浩哉が描く漫画は
動きが無いと言っている人もちょいちょい居るけど、
すごいんです。例えば、この学校内のワンシーン。
この光景って、何気なく、さりげなーく
漫画で表現されていますが、
僕たちの頭の中にある「学生時代」ってこんな
感じだったよね!
って、誰もが共感できる場面なんです。
この床にある”すのこ”と引き戸の素材もそう。
階段の感じも、まさに記憶の中の学校に
ちゃんと存在しているアイテムを使うんです。
奥浩哉先生は。
皆さんがもし漫画家だとすれば、
学校内の何気ないワンシーンをどう表現しますか?
はい。一歩間違うと共感性の無い
「植物がちょっとだけ見え隠れする校庭」とか、
「体育館の裏っぽい雰囲気」だったりとか、
その背景や設定のチョイスによって、
共感性が薄れるんです。
これを、ズバリこのワンカットで表現している。
奥浩哉先生が描く漫画は、動きが無いのではなくて、
その前後の雰囲気をちゃんと想像させられる
余地を残してムダを削ぎ落とした
究極の1コマに圧縮して描いているので、
動きがないように見えますが、
人によってはちゃんと記憶の中の学校で
ちゃんと臨場感たっぷりに動いています。
興奮を鎮める男A
ビビ
奥浩哉先生の日常表現その2
画像出典:GIGANT1巻より(奥浩哉著:小学館出版)
こちらもそうです。こんな家に住んでいて、
こんなベッドに寝ている高校生のイメージ、
とても在りありと想像できませんか?
このさじ加減がホントに絶妙なんです。
これは、プロしかできない。
いや、奥浩哉先生にしかできないと思います。
奥浩哉先生の日常表現その3
画像出典:GIGANT1巻より(奥浩哉著:小学館出版)
これも見事だなぁ〜と。思わずコマの隅々まで
見てしまいました。このマンションの日常感。
「分かる〜こんなマンションに、こんな男女が居て、
こんな光景もあるよね〜」
って、誰でもではなくても多くの人が同棲していれば、
「あるある」と言ってしまえる様な日常です。
「ただ、あるあるを描いているだけでしょ?」
って言うのはカンタンです。が、いざ表現しようと
なると、めちゃめちゃ難しいのがこの部分です。
それを、どのコマでも見事にさらっと1コマで
表現してみせるのが奥浩哉先生のスゴイところ。
例えば、このシーン見て下さい。
奥浩哉先生の日常表現その4
画像出典:GIGANT1巻より(奥浩哉著:小学館出版)
まずこの玄関のカットだけでも、ものすごく生活が
想像できるのが既にスゴイのですが、
普通の漫画家さんなら、ここに
ドッグフードは置きません。
(ごめん浅野いにお先生とかなら置くかもしれませんが、
ドッグフード以外も遊びココロで置いちゃうと思います。
それもステキですがw)
とにかく普通の漫画家さんなら、
この場所にドッグフードなんて
思いつかないと思います。
あえて、これを入れる事で、圧倒的日常を
極限までムダを削った状態で、ポンと
1つのアイテムでそれを表現しちゃう。
奥浩哉先生はそういった本当に
細かい細かい表現を随所に施しているんです。
職人技でしょうこれは笑。ほんとすごい。
謎の男A
奥浩哉先生の日常表現その5
画像出典:GIGANT1巻より(奥浩哉著:小学館出版)
また、奥浩哉先生のリアリティは漫画
だけでは収まりません。
この漫画の中に出てくるTwitterも
実は実際に存在するアカウントです。
▼パピコ
アカウントはこちら
▼男子高校生の横山田零に至っては、ガチで映画情報ツイートしまくっています。
タイ・シェリダン、オリビア・クック、スティーブン・スピルバーグ監督、鈴木小百合、森崎ウィン pic.twitter.com/2TGR2SLN5g
— 零 (@yokoyamax0) April 18, 2018
ビビ
GIGANT(ギガント)の見どころその2:ムダを極限まで絞った表現
先程も少し説明したのですが、動きが無いと
言われる理由は、みんなの記憶の中にある
共通言語を上手く活用している為、
コマの数を極限まで絞っているのが理由です。
例えばこのシーン、
LINEで嬉しい内容が届いた時の1コマです。
ムダを極限まで絞った1コマ
画像出典:GIGANT1巻より(奥浩哉著:小学館出版)
これで、終わりです。
どうですか、このカット、アングル。
あなたも過去に好きな人からのLINEや、
嬉しいお知らせや、友達からの連絡など、
このような態勢、このような表情になった事、
ありませんか?
なんとこの1コマ。
ピコンやピロン!の様な音すら無いです。
なんにも無い、これだけのコマだけなのに
記憶の中のこのコマと同じシーンが出てきて、
「分かる!そうなるよね!」ってなりませんか?
いや、ほんとに上からっぽくてこんな事言うのも、
申し訳ないんですが、下手な人が作ろうとすると、
音やらセリフやら、「フフッ」とか「ニヤ」って
ニュアンスやらをどうにか入れたくなると思います。
なんか寂しすぎないか?これでいいのか?
どうしようかな?っとなると思います。
けど、もうムダなものはガンガン削る。
それで、伝える。すごいなぁ。
日常の何万もある色んな動きの中から、
みんなの心の中の共通言語だけを
グイッっと引っ張り込んでコマにする。
それが、奥浩哉先生の技です。
普通に何も考えずに日常を過ごしていたら
こんなシーン作れません。
また、奥浩哉先生は主人公の部屋を描く場合など、
最初のシーンだけは3コマか4コマでちょっとだけ
細かく表現するんです。きっと作者が部屋や場所を
想像できる余地を最初で与えているのでしょう。
すべてのコマを削りに削るのではなくて、
最初だけは余分に与える事で、
想像しやすくさせています。
GIGANT(ギガント)の見どころその3:取材力と間接的な描写
また、奥浩哉先生のすごいところは、取材ロケ地を
徹底して日常にしているところにもあります。
画像は載せるのが大変なので、
実際の漫画で見て欲しいのですが、
まさに僕たちの近所でおきている様な、
手が届くところで起きている様な、
そんな気配を漂わせてくれます。
また、実際に取材していないと
書けなさそうな場面も多々出てきます。
例えば、女優さんが演技をするシーン。
間接的な描写のリアリティ
画像出典:GIGANT1巻より(奥浩哉著:小学館出版)
一般的な漫画家さんなら女優さんの表情や上からのカット、
その他女優にフォーカスして表現しようとするでしょう。
けど、奥浩哉先生は違います。
なんと、
「女優さんの身の回りの最もリアルな撮影現場の痕跡」
のカットを入れています。
実際の演技シーンや表情などはゼロです。
表現の仕方がとてもユニークでおもしろいです。
たぶん一般的にはパパッと通り過ぎちゃう
ページかなとは思いますが。
こういう細かい奥浩哉先生ならではの表現。
すごいなぁと思います。
きっと取材したんでしょうね。実際の現場で。
手だけじゃなくて、足もガッツリ動かして
リアリティを追求するその姿勢はすごいです。
GIGANT(ギガント)の最大の見どころ:すべてが合わさったSF
そして、奥浩哉作品の最大の魅力はやはり、
非日常な世界観を浮き彫りにする為に
これまで書いたすべての職人芸を総動員して、
作られた圧倒的超SFという事でしょう。
今回のGIGANT(ギガント)ですが、
本当に展開が予測できません。予測できないのに
しっかりとした職人の手によって
丁寧に作られた作品だということが伝わるので、
安心感しかないです。
これは、ネタバレでは無いので載せますが、
展開が読めないこんなシーンもあります。
画像出典:GIGANT1巻より(奥浩哉著:小学館出版)
よくあるSFもの〜〜?とか思ったあなた、
そうで無い事は確かでしょう。超巨大なストーリー。
正直、この先の展開はまったく予測不可能です笑。
まとめ
ストーリーでもコマ割でも楽しめる。
とても楽しい作品でした!
この記事を読んで、普段
何気ないシーンだと思って、見過ごしてる
様々なコマに沢山の感動と楽しさが隠れている。
という事を少しでも感じてもらえたら嬉しいです!
きっと自分でもまだ分からない沢山の
魅力があるんだろうなと思います。
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中古とか探せばさらに安くなると思います。
ちなみに、
色んな漫画を無料で読んでみたい!という方は
▼こちらの記事を参考にしてください。
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ビビ
トイレットペーパーではなく犬の餌
>>匿名さんコメントありがとうございます。
マジか!!
トイレットペーパーだと思ってたw
ドッグフードに修正しました!
ありがとうございます\(^o^)/
なにこのよいしょよいしょ
細かい描写もリアリティも何も、実際の学校やマンション、あるいは小道具を撮影した(あるいはパブリック資料として公開されている)写真を画に加工してるわけだから、隅々まで凝っていて当たり前。
奥浩哉はその分野でのパイオニアだけれど、それは演出というより手間を省くための手段と言ったほうが正しい。だからこそ動きが無い
細かい描写もリアリティも何も、実際の学校やマンション、あるいは小道具を撮影した(あるいはパブリック資料として公開されている)写真を画に加工してるわけだから、隅々まで凝っていて当たり前。>>そうですよね、ブログ主さんが作品を評価するのは良いのですが上記の理由で少し感想の理由付けに疑問だったので同じ事思ってる人がいて安心しました
本当に先生が好きなのですね