青春マンガ?バクマンでもうお腹いっぱいだし、
ちょっともういいかな。
そう思ってたけど、違ってた。
ブルーピリオド読んだ後の爽快さは、
BLUE GIANTを読んだ後のそれに近い。
今回は、ブルーピリオドを読んだ感想と、
ここを見ておいた方がいい。という所など、
見どころも踏まえてお伝えします。
ビビ
目次(この記事で分かること)
ブルーピリオドのあらすじ
夜遊びばかりしてチャラチャラしている主人公の
矢口八虎(やぐち やとら)は、周りに合わせて生きるのが得意だった。
日々をゲーム感覚でこなし、遊びも勉強も、
それなりに卒なくこなしていた。
そんな毎日に疑問と焦燥感を抱きつつも、
憂鬱な日々を過ごす。
ある日、たまたま通った美術部の教室で
1枚の絵に心を奪われる。
生きる意味をうまく見つけられないでいた
その葛藤を抱え、次第に絵の世界に足を踏み入れるようになった
八虎のこれまでに無い挑戦がはじまる。
「好きなことを忘れた」すべての人達に捧げる、
人生を思い出させてくれる熱血青春マンガ。
ビビ
こんな感じになったよ。スポ根受験物語と
言ってしまうのは、あまりにももったいない。
そんなに狭い物語じゃないよこれは。
ブルーピリオドの見どころその1:心の描写がいい
この作者山口つばささんの特長的なところは、
人間模様の描写がうまい事ですね。
なんとなく生きている。
的確にとらえて、ちゃんと形に落とし込んでいます。
強く出しすぎず、弱く出しすぎずに、
ちょうどいい力加減で心をそっと
撫でられているような気持ちになります。
本編では、上にあるコマの後に、いい感じの描写が
もっと続きます。
▼主人公は常に葛藤をかかえています。
他にも色々とあるのですが、ちょっと載せたいコマが
多くなってしまいまそうなので、
心の描写についてはこの辺にしておきます。
この心の描写が絶妙なので、読んだ後に、作品と自分が
離れることは無く、自分の事として捉えることができ、
読む人によっては、何度も頭を打たれたような
クラクラした感覚があると思います。
上記画像4枚の出典:ブルーピリオド1巻より(山口つばさ著:講談社出版)
ブルーピリオドの見どころその2:心揺さぶる名言が多い
ブルーピリオドを読んでて思うのが、作者自身が
とても葛藤してここまで来たんでしょう。
台詞のひとつひとつに説得力と重み、ハッとさせる
ことばが多く、読んだ後も心に残り続けて、
お守りになるようなそんなやさしい言葉が満載です。
画像の出典:ブルーピリオド1巻より(山口つばさ著:講談社出版)
例えば、過去の偉人が残した言葉のような
インパクトがあり過ぎる名言って、驚きはするものの、
普段使わないことば過ぎて、心に残らないんです。
けど、ブルーピリオドは違います。すべてのことば、
1つ1つが馴染みのあることばで、けど、本質を突いていて、
あぁ、そうだなぁ。と思わせるような言葉ばかり。
他にも、
美術は面白いですよ。自分に素直な人ほど強い。文字じゃない言語だから
引用:ブルーピリオド1巻より
という言葉があるのですが、ホントその通りで、
多少なりともアートや美術の世界に居た人なら、
スッと心に入る言葉だとも思います。
描き手の思いは伝わるよ。という様な言葉もあるんですが、
これも、ほんとにそうなんです。
以前、突き刺すような視線で写真にうつるモデルさんが居て、
たまたま会う機会があり、撮影時の視線について
何か意図していることはあるのか?
聞いてみたんですが、
そういう意思で撮影に挑んでます
っと話していて、とても印象的でした。
文章も絵も映画もモデルも、発信者の意図というものは、
伝わるものなんです。
やはりそこら辺も、よく知っているんだろうなと。
不思議ですけどね……。
ブルーピリオドの見どころその3:場面ごとの空間描写が丁寧
この作者の特殊能力は、メタ認知だと思います。
メタ認知って、ざっくりカンタンに言うと、
物事を客観的に捉える能力のこと。この視点を持ってる人は、
歯磨きする瞬間の自分の手の動き、動作、などすべてに
意識を回すことができ、普通の人が見落とすポイントを
丁寧に拾い上げる事ができます。
この作者の能力はまさにそれです。
心の描写の時もそうだったけれど、
美大へと歩む人達の、空気感、教室の雰囲気、
やさしい先生、考えて書くということ。
その他もろもろ、この人のメタ認知によって、
その土台がしっかりと固められており、
とても安心して、作者を信じて読み進めることができます。
最低でも月1回は美大を目指す学生達の元へ行き、
取材をしているそうで、この作者なら、
今の若い人たちの空気もすべて取りこぼさずに漫画にできるでしょう。
そのメタ認知によって、美大の受験に関する説明も、
長過ぎなく、程よく読める塩梅で調整されています。
ブルーピリオドの見どころその4:コマ割りとその他、感じたこと
女装した男性生徒が主人公の友達的立ち位置なのですが、
そういう設定を入れてくれるのも嬉しいですね。
もう今の時代は、男が女らしくてもいい。
そういう価値観が認めれてもいい時代なので、
単純にそういう設定を入れてくれるのは嬉しいです。
途中で入る見開きの描写も、主人公の気持ちの広がりが
表現出来ていて、あぁ、良いなぁとしみじみしました。
コマ割りがちょっと単調になりがちな癖のある
作者さんなのできっと動きが欲しかったのだろうなと
想像できます。担当編集者さんと練にねった感じが伝わる。
コマ割の配置は、ドラマを意識しているなと感じました。
メタ認知視点持っているマンガ家さんは、
ドラマ的なコマ割りを使う人が多いです。他に
東京喰種の作者さんもそうなのですが、東京喰種の方は、
ドラマ的なカメラ割り(コマ割り)で進めているものの、
途中でその単調さを大きく崩したり、変化をつけています。
画像の出典:ブルーピリオド1巻より(山口つばさ著:講談社出版)
※特にネタバレにつながる描写ではありませんが、
念のためモザイクをつけています。
単調になりがちとは言え、上のページの
コマ割りを見てみると、主人公八虎の視線の先や、
全体の雰囲気、行動のひとつひとつを
読者に丁寧に伝えようとしているのが伝わって
作者の徹底的に伝えようとする姿勢が垣間見えました。
他、この漫画は幅広い世代にオススメなのですが、
特に美大生を目指す人達にとっては、バイブルになるのでは?
と思います。どの画材を使ったらいいのかなども、
実際の予備校に通う生徒の作品を用いて、丁寧に解説されています。
まとめ
ほんとはもっと名言の部分など載せたかったのですが、
やっぱりいい感じの部分は、本編で見て欲しいし、
読んで欲しい!そんな気持ちがあり、あえて
載せていないところが沢山あります。
元美大生なら、読み終わった後に長年寝かせていた
筆を手に取り、勢いよく机に向かい、絵を描きたくなるでしょう。
夢を忘れたサラリーマンが居たとすれば、
きっと立ち止まり、鼓舞するきっかけになるでしょう。
学生にも、大人にも、
すべての世代の背中をそっと押してくれる。
いい作品だと思いました。
きっとこれからもっと話題になるでしょう。
まだの人はぜひ読んでみてね!
ちなみに、
色んな漫画を無料で読んでみたい!という方は
▼こちらの記事を参考にしてください。
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ビビ
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